映画「私の男」を観てきました。
原作は未読ですが、「二人」という関係性の特異さに、昔から興味があったので。
主観と主観のみで構成される世界って面白いなぁと。
でもこの映画は、私の食指が動く関係性ではなかったですねー。
二人の関係を表す描写が、セックスしかなかったからかしら。
(直接・間接含めそういうシーンに割く時間が長すぎて、インパクトが強いのかも知れませんが)
セックスはあってもいいけど、それは結果だからなぁ…。
男性側からの視点というのもあって、女の子がファム・ファタル的でしたね。
ラストシーンの二階堂さんの美しさたるや…!
なんか、谷崎の「痴人の愛」を思い出しました。
悪女ものとして名高い作品ですが、昔ゼミの先生が言ってた
「あれは自分で悪女になるよう育てただけで、ナオミはただの優等生に過ぎない」
って説を、私も採用してるので。
映画は時間構成が原作と逆らしいですね。
「俺はお前のものだ」という台詞から始まっているので、余計にそう見えます。
最近、ファム・ファタルって言葉をちょこちょこ耳にします。
リバイバルしてるんでしょうか。
本来の意味は「運命の女」で、
その人の為なら何故か何でもしてしまう、そんな業から逃れられない、みたいな意味ですよね。
ナルシスト的だし責任転嫁だし、あんまり好きじゃない言葉です。
カルメンもマノン・レスコーも一生懸命生きてたのにさ。
しかも最近は、ただの「悪女」という意味で使われてる気がします。
悪そのものを転嫁してるってことなんでしょうか。
まぁでも二人という関係性から来る思い込みだと考えると、
面白い言葉かも知れませんね。
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