先日、また一つ歳を取りました。
何もない年は、なるべく何処かに出掛けるようにしてます。
去年は、初めて幕張のよしもとの劇場に行って迷ったり、滑り込みで期日前投票にも行ったりと頑張りすぎて、
後に大風邪を引いてしまいましたが…。苦笑
今年は三井記念美術館の地獄絵ワンダーランドを観て来ました。
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html誕生日に地獄絵を観るってどんだけシニカルなんだって感じですが、
普通に気になってた展示だったもので。
地獄のグロさより、その絵の文化背景に興味があります。
神話とかもそうですね。
三井美術館が初めてだったのですが、まぁとにかく内装が豪華絢爛ですね。
明治の迎賓館風といいますか。
例に漏れず、私も圧倒されました。
その内装と水木先生の地獄絵の不均衡さが、最初は気になって仕方なかったです。笑
水木先生の絵が資料(地蔵十王図とか)に割と忠実ということもあって、
展示の前半は同じモチーフの繰り返しという印象でしたが、
地獄という概念が文化に浸透し発展して行った江戸時代の黄表紙や素朴絵などは、
やはり興味深くて面白かったです。
幕末なんて浮世絵では残酷絵が流行ってたのに、
それまでグロさを押し出してた地獄絵の方がポップでコミカルな画風になってたっていうのは、
なんだか不思議です。
皆グロさに耐性が出来ちゃって、他のアプローチじゃないと目を引かなくなったんですかね。
地獄という源氏名の遊女がいて、地獄絵をモチーフにした打掛を着てたっていうのも
初めて知りました。カッコいい。
余談ですが、江戸時代の女性の打掛って結構文化背景が出て面白いですよね。
数年前観に行った着物の展示で、江戸時代後期の大店の商家のおかみさんが
写実的な鷹をモチーフにした打掛を着てたっていうのを見て、
江戸時代の初期は、鷹なんて威厳を示す為に武家の床の間の掛け軸に描かれてたものなのに、
この頃になると商家の女性のファッションパターンだったんだなーと
時代の推移が分かって面白かったです。
今でいうヒョウ柄みたいなものでしょうか。
比丘尼が女性の落ちる地獄を説いた絵は、やっぱり引っ掛かりました。
子供を産まなかった女性、再婚した女性などが地獄に落ちるという。
私は正しい仏教徒じゃないので、
なんでそれを罰せられなきゃならないんだと思ってしまいますね。笑
まあそれまでの地獄は男性用って感じだったので、
概念が発展した結果というのは知ってますが。
だって知らない超絶イケメンの為に刃の葉の木を上り下りする女性なんて、
あんまりいなさそうですもん。笑
他にもキリシタンと思しき女性が罰せられる側ではなく祈る側として登場していたり、
霊峰立山の下に地獄があるとされてたり…。
見ないと分からないことが沢山あって面白かったです。
しかし、キャプチャーが非常にざっくりしてたのが、ちょっと気になりました。
画材が書いてなかったり、「江戸時代」とされてたりとか。笑
私立の美術館はそういうものなんでしょうか。
とにかく、今までになく地獄に触れた誕生日でした。
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